5.メディアミックスは、情報を操るための知恵
メディアミックスという言葉は、これまで現実のツールを組み合わせた
手法という意味のマーケティング用語として使われてきました。
つまり、新聞とダイレクトメール、テレビと雑誌など、
違う種類のツール(メディア)を組み合わせて、訴求効果を高めていく考え方です。
しかし、このリアル(現実)なツールとインターネット(仮想空間)なツールによる
メディアミックスという概念が語られることは、ほとんどありませんでした。
テレビや新聞といった現実のツールがマスメディアとして、あまりにも巨大な構造と力を持ったことと、
デジタル信号で成り立っているインターネットとはその在り方が大きく隔たっていたからです。
ですが、多くの人々は、「これはリアルなツールからの情報」「これはインターネットなツールからの情報」
というような、区別をしながら情報に接しているわけではありません。
例えば、あなた自身の行動を考えてみて下さい。
テレビでちらっとみかけた素敵な女優さんのことについて「もっと詳しく知りたい」とパソコンを取り出し、
番組のホームページを見つけ、その女優さんの情報から彼女のブログを見つける、
というようなことが、よくあるのではないでしょうか?
ちょっと例が悪かったですか(笑)
それでは「女優」というキーワードを、「商品」や「レストラン」に置き換えてください。
こういうことが家庭で、会社で、あるいは街角で、当たり前に行われています。
ビジネスをする側としては、こういう行動を理解・認識し、その流れに乗らなければいけない。
しかも、リアルなツールとインターネットなツールの両方を合わせると、
私たちが使うことができるツールの種類は、本当にたくさんあるのです。
それをどう効果的に、しかも、コストが最も安くなるように組み合わせていくか、
そこが知恵のみせどころであり、大切なポイントである、ということになるのです。